2007年12月18日
土に還る青汁の素
さすがに九州も肌寒くなってきました。年末を前にした真玉工場は、まもなく始まる大麦若葉の収穫を控え、機械点検の真っ最中。振り返れば最初に工場を訪れたとき、次々と運びこまれてくる大麦若葉でフル稼動の時期でした。ほんのりと緑の香りが漂う工場に、心地よさを感じたものです。
ところで、そのときちょっと興味を持ったのが、大麦若葉やケールの搾りかすの行方。
聞けば地元の牧場と提携して堆肥化しているとのこと。廃棄物を環境中に出さない「ゼロエミッション」という言葉が知れ渡るようになったいま、真玉工場も循環型社会の実現に向けて積極的に取り組んでいるんだなと、あらためて感じたものです。
そこで今回は契約牧場を訪れ、搾りかすが堆肥として生まれ変わる現場を見学に行ってきました。豊後高田名物の白ネギが一面に広がる干拓地の中に建つ細長い建物が、その現場です。

運営しているのは、地元で800頭の肥育牛を擁する真玉牧場さん。
桑原さん親子による家族経営で、こちらで育てられた肉用牛は「全国担い手育成総合支援協議会会長賞」「大分県農業賞企業的農家の部最優秀賞」など数多くの賞も受賞しており、地元業界のリーダー的存在でもあります。

「キリン ヤクルト ネクストステージ さんからは、多い時期は毎日4tトラック4台分くらいが、この堆肥舎に運びこまれちくるで。砕いて絞ったあとの状態の残滓に1/3くらいの牛の堆肥を混ぜ、20日くらいかけてゆっくりゆっくり発酵させていくんや」(桑原さん)

細長いレーンのような小屋の中では、100mくらいにわたって一面に堆肥が敷き詰められています。そのレーンの上を、大きな爪のついた軸をグルグル回転させる装置が、ゆっくりと移動しています。

この装置が一往復3時間くらいかけて堆肥を丁寧にかき混ぜていくのですが、おかげで運び込まれた時に目についていた牧草の種や菌が発酵され、質のいい堆肥として生まれ変わるというわけです。

レーンの出口までくると、発酵で熱を持った堆肥の湯気が、まっ白に立ちこめています。
「発酵熱は高い時は70度くらいになるんよ。これで温泉とかできんもんかのお(笑)」

グッドアイデアです、桑原さん! 実際、これだけの熱があれば、そんじょそこらのボイラーも叶わないかも、と思わせるくらいです。
「ほれ、これが出来上がった堆肥じゃ」

ふ〜んと手にとってみると、これがまた驚くほどにサラサラしています!
しかも匂いも水分もとれ、とても運びこまれてきたものと同じだなんて思いもよらず、かなり感動モノです!
「これが袋詰めされて地元の農家に売られていって、作物の栄養になっていくんじゃな。世の中、よう出来ちょるわな(笑)」
さて、今回で連載も終了です。
一年間ご愛読いただきありがとうございました。この一年間ですっかり青汁ファンになった自分ですが、今回また違った角度で「元気な畑」の一面を目の当たりにすることができ、なんだか不思議なエネルギーを得た気分になりました。
これからも「元気な畑」で、カラダとココロを鮮度アップされることをお祈りします。
青汁の原料であるケールや大麦若葉のふるさと、大分県国東半島の恵まれた自然を、現地からレポートします。
プロフィール:姫野裕一/Yuichi Himeno
大分県生まれ。地元タウン誌『CONKA』編集長として大分県内を駆け回る。由布院が舞台のNHK連ドラ『風のハルカ』で紹介されていた郷土料理の集大成本『ハルカの食卓』の編集に携わり、大分の大地が生んだ「食」のフトコロの深さにあらためてノックアウトされたばかり。大分トリニータのオフィシャルマガジン『Winning Goal』編集長も兼務している。
「conka.com」http://www.conka.com/
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