2007年2月21日

真玉の温泉に入っちみらんかえ

宿泊者専用の「太郎天の湯」は檜の香りが漂います。
温暖で過ごしやすい大分県国東半島と言えども、やはり2月は寒いものです。早朝は、車のフロントはもちろんミラーやサイドにも霜が張り付いて、お湯をかけて霜取りをしてから出発することが日課になっています。畑に目を移すと、キリッと澄んだ空気の中、大麦の葉も霜で真っ白になっています。

ところで、真玉の特産品に白ネギがあることは以前紹介しましたが、この白ネギは冬の霜を浴びると軟らかさと甘味を増して、おいしく育つそうです。白ネギと霜は切っても切れない関係で、秋に蒔かれたネギが1年以上の歳月を経て、冬の訪れとともに再び霜に出会い、最後に自然からの洗礼を受けて我々の元に届けられるのです。自然と関わりの深い作物は、ハウスで作られるものとは違い「旬」を感じます。霜と聞いただけでブルブルッと寒さが増しますが、おいしい白ネギを作るために一役かっているのであれば、感謝しなければいけませんね。

さて今回は、身も心もポカポカ温まる、国東半島の温泉を紹介します。
国東半島には、古くから親しまれてきた「くにさき六郷温泉(くにさきろくごうおんせん):真玉温泉・花いろ温泉・夷谷温泉(えびすだに)・仙人湯(せんにんゆ)・蕗薹(ふきのとう)・海門荘」と呼ばれる古湯が6つあります。なかでも半島最良の温泉量を湧出している真玉温泉は、別府や湯布院に負けず劣らず良質な温泉です。

河川公園の向こうに見えるスパランド 真玉。各種スポーツ施設も揃っています。
煙草畑のなかにぽっかりと建ち、鯉が放流されている河川公園と隣接している「スパランド真玉」は、真玉温泉のなかでもっとも設備が整っている温泉宿泊施設です。

「春先にゃあ、毎日んごとウグイスも鳴きよんし、お猿さんが道を歩きよんこともあるんで(笑)」
にこやかに案内してくれたのは、支配人の松井利明さん。職員のマナーが行き届いていると評判の、スパランド真玉の温泉マイスターです。
さっそく温泉棟に足を運んでみると、明るい陽光が差し込む男女別の大浴場には、打たせ湯、2種類のサウナ(スチーム、ラジウム)、ジャグジー、露天風呂と、なんとも贅沢な温泉三昧。宿泊者専用の檜風呂「太郎天の湯」も人気だそうです。もちろん源泉かけ流しで、毎分400リットルもの湯が天然自噴。国東の大地で育まれたミネラルたっぷりの湯が、疲れた体をじんわり癒します。さらに地元の人たちが交わす方言を耳にしながら湯舟に浸かっていると、いつしか心もなごんできました。

「飲んでみらんかえ」
と、松井さんにすすめられ、ひとくち温泉を飲んでみたら、これがまた美味しい! 実をいうと、これまで温泉を飲むことに抵抗があったのですが、こちらの温泉はすごく飲みやすいのです! 「体の中まで“天然の産物”で潤せてくれ、大満足です!」と言いながら、ちゃっかりもう一杯おかわりしてしまいました(笑)。しかも料金は300円というのですから、これまた驚きです。

館内では地元の産品も販売しています。
「テニスコートや貸自転車もあるけん、もうひと汗流して温泉に浸かっていきよ。レストランには、こん土地でとれた野菜や魚の料理も待っちょんで」
温泉に浸かって、地の素材を食し、冬を乗り切る。温泉地ならではの冬の楽しみ方、どっぷりハマッてしまいそうです。


青汁の原料であるケールや大麦若葉のふるさと、大分県国東半島の恵まれた自然を、現地からレポートします。

プロフィール:姫野裕一/Yuichi Himeno
大分県生まれ。地元タウン誌『CONKA』編集長として大分県内を駆け回る。由布院が舞台のNHK連ドラ『風のハルカ』で紹介されていた郷土料理の集大成本『ハルカの食卓』の編集に携わり、大分の大地が生んだ「食」のフトコロの深さにあらためてノックアウトされたばかり。大分トリニータのオフィシャルマガジン『Winning Goal』編集長も兼務している。
「conka.com」http://www.conka.com/

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