2007年3月 2日
どんな農作物も土づくりが一番大事

冬の寒さがひと段落。国東半島では春に向け暖かい日差しを感じるようになりました。今年は暖冬のおかげでとても過ごしやすい日が続いていますが、この暖かさが農作物にどんな影響を及ぼすか、ちょっと心配です。
ところで先日、真玉工場のケールの栽培説明会に参加してきました。毎年この時期になると、契約農家の方々を一同に集めて生産計画や栽培説明をしています。この説明会には、契約農家の方全員の出席が義務付けられています。というのも、“作った人の顔が見える農作物”でなければいけないという思いから、1年に1回生産する人と加工する人が顔を合わせる場を設けているのです。なかには今年はじめて契約するという方もいらっしゃいますが、説明会での顔つきはベテランも新米も真剣そのもの。この他にも、徹底した品質維持を目指すため、年間スケジュールや栽培の管理基準などをキメ細やかに指導していますが、いずれも熱心な取り組みぶりが見られるそうです。

「ケールをつくる仲間が1年に1回、一斉に集まるやろ。お互い情報交換とかしち、もっといいケールつくらないけんっち思うんよ。負けられんっちゃ。いい刺激になるんや」
真玉工場が稼働して以来、ケールをつくり続けている生え抜き選手、いや農家の安藤静夫さんは、説明会の位置づけを「モチベーションを高めるもの」として考えています。当日集まった106名もの農家の方々も、安藤さんと同じような気持ちのようです。そのせいか説明会最後の質疑応答では、質問が多すぎて時間切れになってしまうほど会場は熱気ムンムン。おかげで時間切れの質問に対しては後日、工場と個人的に話して解決していくようにしているとのことです。ひとつひとつの質問に、まさに農家の方の情熱がほとばしっているという感じでした。

質問の中で最も多かったのは害虫のことでした。
ケールは寒さ暑さには強いのですが、農薬を使わないから、害虫がよくつきます。あぶら虫は成長を妨げますし、青虫は葉っぱを穴だらけにします。こまめに見回り、早めに駆除しなければいけないのです。これが全て手作業なので農家の方を悩ませており、工場の方としても解決策を見出そうと必死です。現在、防虫ネットを試しているようです。
このように、害虫の問題をひとつをとっても、農家の方々と工場が一緒になって考え、育てているなと、つくづく感じました。説明会に出席してよかった、と思いました。

ちなみに前出の安藤さんにケールを栽培するにあたってのポイントを聞いたところ、「害虫については根気よく取り続けるしかないわ。それよか土じゃ。いい土にいいケールができる。しっかり有機肥料と混ぜてふかふかの土をつくる。土台さえしっかりしちょけばいいんや」と、単純明快な答えが返ってきました。
健康な土には、健康な農作物が宿る。どんな農作物も、土が大事なんですね。
青汁の原料であるケールや大麦若葉のふるさと、大分県国東半島の恵まれた自然を、現地からレポートします。
プロフィール:姫野裕一/Yuichi Himeno
大分県生まれ。地元タウン誌『CONKA』編集長として大分県内を駆け回る。由布院が舞台のNHK連ドラ『風のハルカ』で紹介されていた郷土料理の集大成本『ハルカの食卓』の編集に携わり、大分の大地が生んだ「食」のフトコロの深さにあらためてノックアウトされたばかり。大分トリニータのオフィシャルマガジン『Winning Goal』編集長も兼務している。
「conka.com」http://www.conka.com/
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