2007年11月30日

今年は豊作! 国東半島の稲刈り。

今日はバスでなくコンバインを運転。秋まっただ中! 前回は昔ながらの田園風景を見せている田染荘(たしぶのしょう)について少しふれましたが、今回は引き続き大分県西国東地域の稲刈りの様子を探りに出かけてきました。

豊後高田から宇佐平野と広がる田園地帯は、大分県で一番の穀倉地帯と言われています。それは、ミネラルと養分をたっぷり含んだ水、適度な昼夜の寒暖差、安定した日照時間、緩やかな風が吹き込むこと等々、あらゆる条件がそろっているから。稲刈りの時期ともなると黄金色にたなびく稲穂が美しく目に映え、あちらこちらでコンバインがうなりを上げています。
この地域で作付けされている主な品種は、早期コシヒカリとヒノヒカリ。特に「大分ヒノヒカリ」は、大分県で生産量のもっとも多い品種で、炊飯米は艶があって粘りも強く、評価も上々で、関西方面へも流通しています。

一緒に写っているのはバス会社同僚の佐藤さん。秋晴れの空の下、ピクニック気分で出かけた私ですが、ちょうどお昼に差し掛かる頃、コンバインに乗って稲刈りに精を出していた友岡さん(52歳)に声をかけてみました。
「ウチは全部で1町4反(約4,200坪)の田んぼで米を作りよんやけど、もうここが最後。今朝は前日までに刈った米をもみすり(脱穀した稲からもみがらを外す作業)して、稲穂についちょる露が乾いた10時頃からここに来て作業を始めたんよ」
今年の出来具合いはどうですか?
「なかなかいいんじゃねえかな? 小米(こごめ)も少ねえごたる。ほれっ!」
刈りたての立派なお米。小米とは、標準の大きさにまで成長していないお米のこと。友岡さんが手のひらにのせて見せてくれたお米の粒は、確かにぱんぱんに成長しきっています。「台風銀座」とまで言われる九州ですが、今年は台風の被害が少なかったぶん、豊作の年となったようです。
「ほな、ワシらはここらでちょっと、こびりにするわ」
軽トラックいっぱいに米袋を積み込み、昼食のためいったん自宅に戻る友岡さん。「こびり」とはお昼の休憩やおやつの時間のことで、「小昼」が語源だとか。農繁期の12時や15時ともなると、この地域では「みんな〜、こびりにしようえ〜」という声が飛び交うのだそうです。

そこから少し車を走らせると、子どもたちがおにぎりをほおばっていました。どうやら家族数組で稲刈り体験に来たグループのようです。
「できたては美味しいよ〜。たくあんとおにぎりだけで、こげえ美味しいとは思わんかった!」
「ふだんは漬け物とか、あんまり食べんになあ(笑)」
自慢げにおにぎりを見せる子どもたち。別府市から来たお父さん、中野純一郎さん(35歳)は話します。
「知人の農家に頼みこんで、みんなでやってきたんですよ。稲刈りなんて親もなかなか体験できないけど、今日はコンバインだけでなく、実際にカマを持って刈らせてもらいました。子どもとどっちが多く刈るか、競争もさせられました(笑)。どうですか、おにぎりをひとつ、つまんでみませんか?」
昔ながらのカマで稲刈り体験を。差し出したおにぎりを遠慮なくひと口……美味しっ!! わざわざ農家の方が、新米を飯ごうで炊いてくれた熱々のおにぎりです。これは何ものにも代えられません!! 見渡せば、ほかの田んぼでも、ひと汗かいてお弁当を広げる姿がちらほら。
まもなく終わりをつげる国東半島の秋。刈り取られた藁が丸く積み上げられ、まるでアート作品のように、田んぼの隅に転がっていました。


青汁の原料であるケールや大麦若葉のふるさと、大分県国東半島の恵まれた自然を、現地からレポートします。

プロフィール:姫野裕一/Yuichi Himeno
大分県生まれ。地元タウン誌『CONKA』編集長として大分県内を駆け回る。由布院が舞台のNHK連ドラ『風のハルカ』で紹介されていた郷土料理の集大成本『ハルカの食卓』の編集に携わり、大分の大地が生んだ「食」のフトコロの深さにあらためてノックアウトされたばかり。大分トリニータのオフィシャルマガジン『Winning Goal』編集長も兼務している。
「conka.com」http://www.conka.com/

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